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舞台

言葉にならないこと:山海塾「降りくるもののなかでーとばり」

sankaijuku

北九州で毎年上演してくれている山海塾。お恥ずかしながら初めて見て、やはりもう脳みそが痺れて夢にまで出てきたので書かずにはいられない。
だけど言葉にするのがおこがましくて書いては消し、書いては消ししてしまうこの感じは、観たことがある人ならきっとわかるのではないでしょうか。
感想を述べたり、言葉にしたりすることで、あの世界を小さく切り取ってしまうならいっそ黙ったままでいたいと思ってしまう。
「言葉にする」ということの対極にあるような舞台だった。
だけどこのままだとまた夢に見そうなので、少しだけ。

ダンスや舞踏は、台詞のある演劇よりある意味自由で、ある意味不自由で、どちらもそれぞれに楽しみ方が異なるとは思うのだが、
今回ほど言葉に縛られない、言葉にならないことをこんなに自由に表現することの凄みを感じたことはなかった。
行ったこともない荒野をゆっくり巡る無数の星。その星空の遥か彼方もっと上の世界から神様みたいな人が何かを決めているような・・・
でもそれも「悠久」という言葉の中では一瞬の出来事だったり。過ぎていく時間や、過去、未来、現在を一方向に流れる人。
それに逆行する人。すべてのシーンは印象的で、そこから何を受け取るか、何を想像するかは私たちに完全に委ねられていて。
満員の客席の数だけその解釈の存在が許されているこの作品って!!
息を呑んでばかりで、観終わった後に軽く頭痛がするほどでした。

どうしても私たちは、目にしたものや、目の前で起きたことに対して、頭で考えてすぐに言葉にしてしまう。
ちょっとずれるかもしれないけどこんなことを思った。
言葉が未発達なこどもたちは、イメージで捉えるのがとっても上手だ。
同じものを見ていたのに、私たちと全く違う受け取り方をすることが多々有る。
もしくはその時流れているムード、雰囲気、空気。全体的な印象で、情報をキャッチする。
そして大人はこどもがとんちんかんなことを言っていると「訂正」してしまったりする。私もよくやってしまう。
ついつい「答え」を求めたり「説明」を求めたりしてしまう。悪い習慣。
もちろん、言葉から広がる豊かな世界も、考えることができるからこそ深まる作品もたくさんある。
だけど、言葉にならないことや、なんだかわからないもの、得体の知れないものこそ、シャットアウトせずに覗き込むことってとても大切なのではないか。
わかりやすいもの、キャッチーなものに慣らされすぎていて、そうでないものについて想いをめぐらせる体力が奪われていないか。
こどもにこそ観せてみたい作品だなぁと、心から思った。

照明も舞台美術もとても印象的だった。シンプルなだけに、一層効果的だったのは、きっとダンサーたちの美しさのせいですね。
映える映える。音も光も。

ちなみにですが、カーテンコールまですこぶるカッコよかったです。世界観を背負ったまま最後まで魅せてくれる感じで。

昔からの芝居仲間がスタッフで入っていたので再会も果たせて、観に行けてよかった。
来年は新作とのこと。
楽しみにしています。

えんげきあそび 2017/04/17

17日は4月の2回めのえんげきあそびの時間でした。
今年度は月に2回、30分の枠で、以上児20名ほどを対象にして行うことになっています。
導入からあそびにつなげるには正直短すぎて毎回時間が足りないのですが、まあそこはなんとかかんとかがんばるとして。
4月はようやく暖かくなって春を満喫したいのと、とりあえず楽しく、テンション上がるようなあそびをしたいなということで、
素材と触れ合うような内容にしました。

前回の1回めの模様を写真に撮れなかったのが悔しかったので、自分の子どもと公園で戯れてきました。

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ほんとは幅広のポリシートが使いたかったのですが、調達が間に合わなかったので、塗装用の養生シートで代用したので、テープのつなぎめが見苦しいですが、使う分には問題なく。
素材と出会う第一回めの模様は前回の記事でお伝えしたとおり。盛り上がりました。
2回目の今回はその素材を使って、複数の人数で大きなオブジェクトを作って動かしてみよう、という発展形。

まずは導入に「つられたらたべちゃうぞおばけ」(作・乾 栄里子/絵・田中六大/童心社)を読みました。
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そもそもおばけが怖い子もたくさんいるし、しかもおばけに食べられちゃう!ということで、楽しみながらもみんなどきどきしているのが伝わってきました。
さて、おばけに食べられたらどうなるかな〜ということで。

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先日のシートをちょっと加工して、3人でいっしょに動かすビニールおばけを動かしてみました。
3人でゆっくり〜、お互いのことを気にかけながら〜、ハンドルを前の人にあてないように〜などなど。。。
遊びながら動かし方のコツが徐々にわかってきました。

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年齢的にもついつい夢中になっちゃうので、ちょっと難しかったかなと心配していましたが。
その後、午後にも年長児だけでやってみたところ、みんなコツを得て、上手に動かせていたよう。すごいな、みんな。
色々事前に準備したり、考えて行ったりもしますが、できることもできないこともあり。時として想像以上のことが起こったりもするので、とても貴重な、面白い機会だなと。来月も楽しみ。

Snow in the deep sea @Bright Kids Garden

さて、現在絶賛稽古中の、新作パフォーマンスのお知らせです。

海に降る雪

2017年7月1日 10時開演(9:30開場)
こどもも大人も楽しめる、英語を使ったお芝居。深海に降る雪と不思議ないきもののお話をDivadlo501とつかのみきがお届けします。
料金【一般】1家族 1,500円 【BKG園生/卒園生】1家族1,000円
予約制 定員50名になり次第、受付終了。
お問い合わせ:ブライトキッズガーデン 093-583-8555

上演時間は30分前後。
終演後に人形たちとのふれあいの時間を設けています。

皆様のお越しをお待ちしております。

イジーとまぬけな悪魔:トヨタハートフルプラザ

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告知が遅くなってしまいましたが、現在製作中の人形劇『イジーとまぬけな悪魔』のご案内です。

3月5・6日、福岡市博多区のトヨタハートフルプラザ福岡で開催される【福祉車輛体験フェア&お身体が不自由なキッズのおうちリフォームフェア】にて、501FURNITUREの家具の展示と人形劇『イジーとまぬけな悪魔』の上演を行います。
※人形劇の上演は6日のみ。
人形劇の上演の為に観覧申し込みページやチラシまで作っていただいて・・・身が引き締まる思いです。
普段とは違う環境での展示・上演ですが、どんな出逢いが待っているのかとても楽しみです。
みなさまのお越しをお待ちしていまーす!
【福祉車輛体験フェア&お身体が不自由なキッズのおうちリフォームフェア】→ http://www.mutohgkn.co.jp/info.html
◇日時◇ 3月5・6日 10:00〜18:00 
◇場所◇ トヨタハートフルプラザ福岡 
     福岡市博多区東那珂2−1−55  
◇お問合せ◇ 092‐477‐6187
入場無料・駐車場完備
人形劇『イジーとまぬけな悪魔』の上演は6日13:00〜
観覧申し込みは下記サイトかお電話にてお願いします。
http://www.mutohgkn.co.jp/appli.html

終了しました「Snow in the deep sea」@BKG

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英語幼稚園ブライトキッズガーデンにて、「Snow in the deep sea」を上演させていただきました。

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当初、レパートリーの「あかずきん」の英語バージョンを製作しようと思って、つかのさんをお誘いしたのですが。
話しているうちに新作を作ってみることになり。いつもは私は昔話をモチーフにした作品を作ることが多いのですが、原作を設定せず、とにかくアイデアを出していく作業からお話を作るという作業になり。ゼロからのスタートでひとつのパフォーマンスを共作することになりました。
荒削りで、なかなか観念的な話だったかなぁ、とか色々振り返ることはありますが、
主催者のブライトキッズガーデン様、関係者のみなさま、そして誰よりご来場いただいたお客様に心から感謝です。
ありがとうございました。

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終演後はやっぱり風船に触りたい人たちの遊び場と化していました。

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そして本作には登場しませんが、木彫りの人形とのふれあいの時間も。
楽しんでいただけたようでよかったです。

さて今後のDivadlo501の活動についてですが。
私ごとですが、上の写真を見ていただけるともうどうにも明らかなように、現在妊娠9ヶ月を迎えております。
8月には生まれる予定です。
というわけで、4月から本格始動していたえんげきあそびも6月いっぱいで一度産休に入らせていただきました。10月くらいから復帰予定です。
上演の予定については11月末の赤ちゃんのための演劇作品の上演から始動する予定です。
というわけで、秋くらいから、自分のこどもの様子をみながら少しずつ動き出すつもりです。
詳細は近づいたらまたお知らせさせていただきます。

想くんがおなかに入っているときは妊娠8ヶ月で「星の王子さま」に出ていたのですが、今回は9ヶ月。体の状態も前回とは少し違うので、若干ひやひやした
瞬間もありましたが、受け入れてくださったお客様、関係者のみなさま、共演者のつかのさん、家族。みなみなさまに、心から感謝です。
新たな力の源を得て、またみなさまにお会いできるのを心から楽しみにしています。

太陽の子

5月末。仕事がちょうど一区切り付いた日。太陽の子がうちにやってきた。

太陽の子、とは私が心の中で勝手にそう呼んでいるだけで、まあ、東京で一緒に舞台を創っていた、先輩のことなのだけど。彼女の事を知る人は、彼女は太陽の子だと言えば、おそらくみんな、「そうかもしれない。本当にそうなのかもしれないね。」って言ってくれると思う。そんな人。

太陽の子、よくしゃべる。とにかくしゃべる。今回も、たくさんしゃべって、うまいうまいとふつうのうどんとか、おいしいうなぎとかをたくさん食べて帰って行った。あと、人をびっくりさせることも好きなので、たった1泊しかしてないのに何度かびっくりさせられて笑いが止まらなかった。

あの人、何をしにきたのだろう。

ほんとにもののついでにフラっと寄っただけだろうか、と思ったとき、ドキッとした。

彼女の仕事に向かう姿勢。夢中で世界を語る、熱。

やってるか、私。忘れてないか、大事なこと。

多分本人もそんな気はさらさらないのだろうけど、周囲の人間にそう思わせるのが、才能ってものなんじゃないだろうか。

そしてドキッとさせるだけじゃなく、太陽は誰をも等しく照らす。暖かく、優しく。

私は、私の場所で、私の仕事をする。

次、一緒に仕事した時に、「なんだ、つまんなくなったなー。」とか言われないように。

私、がんばる。

来てくれて本当にありがとう。

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えんげきあそび ‘170626 ひかりとかげであそぼう!

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産休前の最後のえんげきあそびは、事前に製作の時間を設けてもらい、各自で平面の人形を作ってもらいました。
年長、年中さんは各自作りたいデザインを自分で決めて、可能であれば割りピンを使って可動部分を作り、カラーセロファンで色を足してもらいました。
年少さんは私の方であおむしの割りピン人形のフォーマットを作って渡しました。各自セロファンを貼って顔を描いてもらいました。
製作の段階でみんなだいぶテンションあげあげだったらしく、当日の朝は「さあ、どんな風に見えるのかな?」というわくわくした雰囲気にみちみちていました。

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まずは幕の裏のOHP横で、自分で自分が作った人形を動かしてみる。「これなーんだ?」「バナナ!」
光源に近づけてぼかしてみたり、フレームイン、フレームアウトを試してみたり。
ひとしきり影のしくみを堪能したら、どんな風に影が見えているのか、幕の前に回って自分で見てみる。

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自分が作ったものがこんな風に見える、とわかると一様にみんな嬉しそう。
年少さんは表現手段がフィジカルなので影を見るとその影と戯れて踊りだす子多数。

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とても美しい瞬間の連続でした。

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数日後、サプライズでこんなプレゼントが。

rena

ありがたいことです。
復帰後は生活発表会に向けて準備を始める予定です。
それまでえんげきあそびは少しお休みします。