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キーワードは『生活の中に、アートを。』

劇場でもない
美術館でもない
小さな街角にある、小さな家具屋。
ちょっとしたパフォーマンスやコンサートやイベントが、
生活の一部を扱う『家具屋』で行われるその様は、
一見すると、奇妙に見えるかもしれません。
しかしそれは奇妙なことでしょうか?

特別な時にしか触れない特別な芸術も、もちろん素晴らしい。
だけど日々の生活の中にも、アートは存在します。
そんな瞬間に出逢うことで、世界がちょっとだけ違って見えたり、それまで知らなかった人と話したり。

むしろ私たちに必要なのは、日々の生活の中にひそむ
美しい瞬間に、どれだけ目を向けることができるか、
かもしれません。

※Divadlo(ヂバドロ)とはチェコ語で『劇場、演劇』という意味の言葉です。

えんげきあそび180604「かげえシアター ティッシュのはこ」

年少組えんげきあそび6月はかげえシアター ティッシュのはこ、というのをやりました。

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ひかりと影。もう、永遠に遊べるくらい多面的に掘り下げられるテーマだと思います。
シーツをやカーテンなどをスクリーンにして、からだいっぱいを使った影絵も楽しいのですが、今回は身近な素材だけでできる、ミニマムな影絵あそびができないかなぁと考えました。
ミニマムにすると影絵素材が小さくなるので、影絵人形をこどもたちに作ってもらうことは難しくなりますが、その分、別の形で遊べるかもしれないと思い、とりあえず作ってみました。
ティッシュのはこが劇場になります、という身近さ。影絵人形たちはいらなくなった黒めの紙袋を使って作りました。
と、ぐうの音も出ないほどどこにでもある素材だけを使いました。

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さあ、じゃあ一緒にやってみよう!
いつもはいきいき身体のおもむくまま、からだいっぱいで遊ぶことが大好きな年少児たちですが、照明を落とした部屋で、小さな光る箱の世界にすっかり魅了されたのか、とても集中した手つきで人形を動かしていました。繊細な手つき。惚れ惚れしました。すごい。

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人形を動かしながら自分でおはなしを語り始めるこどももいて、おもしろかったので、そのまま語ってもらったらなんだか全然違う話になっていってさらに面白かったです。いいぞ!あそべあそべ!

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昨年来、影絵をするときは舞台に白いスクリーンを吊って、光源のライトやOHPを持ち込んで・・・とやっていたのですが。
もちろん、今年も後ほどやりますが、そうすると、私がいる時しか影絵あそびができないなぁと思いました。
私がいなくても、特別な道具の必要がなく、気軽に、日常的にえんげきあそびが近くにあるといいなぁと思って、やってみました。

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かげはティッシュの箱を飛び出して、みんなの体に映ったり、壁やカーテンに映ったり。
そうするとテンション上がりすぎて大騒ぎになって誰かが誰かとぶつかって、危なかった。
部屋が暗いので暴れると危険です。注意しましょう。
ご安全に!またあそぼう!

きんいろの髪のお姫さまーZlatovlaska

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新作人形劇のご案内です。
2018年10月に新作人形劇「きんいろの髪のお姫さま」を北九州市と大分県宇佐市で上演することになりました。
「よだか」「金のさかな」でご一緒した、チェコ人演出家のゾヤ・ミコトバーさんと舞台美術家の林由未さんと、再び新作を制作できるチャンスに恵まれました。
今回はチェコに古くから伝わる民話を題材に選びました。
私がチェコに留学したのが2009年。「よだか」を作ったのは2010年。「金のさかな」は2012年。その後、「あかずきん」「イジーとまぬけな悪魔」「てぶくろ」などを制作して来ましたが、ゾヤさんも交えて3人でまた仕事ができるのは6年ぶり。30代はめまぐるしく環境が変わって、家族が増えたり、生活が変わった時代でしたが、それでも、作り続けて来られたことは、ひとえに、周りの支えあってのことだと思います。そして、30代最後の年に、またこうして新たな挑戦の場を与えていただけたことに、ちょっとゾクゾクしてます。
打ち合わせをしていても、ああしたいこうしたい、これにチャレンジしたい、やっぱりこっちがいいんじゃないか。行き詰まったり、つつきあったり、発見したり。話が尽きないのは幸せなことだと思います。こちらのブログでも、制作の状況など、ご紹介して行こうと思います。

10月のプレミアではチェコから演出家のゾヤさんと美術家の林さんを宇佐市にお招きして、新作「きんいろの髪のお姫さま」と「よだか」の2作品を上演する予定です。また、上演の際には並行して林由未さんの人形の作品展も開催する予定です。こちらも是非お楽しみいただければと思います。
年明け以降、他の地域への上演も計画しています。

新たに生まれる作品が、また多くの人に愛されることを心から祈りつつ。
劇場でたくさんの笑顔に会えることを心から楽しみにしています。

えんげきあそび180521「音とあそぼう!」

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通りすがる日田彦山線にトーンチャイムの音を飛ばしています。
5月の年中、年長組えんげきあそびは「音とあそぼう!」でした。

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今月は音に関することをやろうと、あれこれ準備して段階を踏んだゲームを考えて・・・と悶々準備していった大人であるところの私ですが。
昨年の生活発表会でちらりとみかけたトーンチャイム。
初めて触る子が多く、そしてあまりに彼らの感覚にフィットしたのか、渡すなり鳴らしながら野原を走り始めたので、もうそのまま走ってもらいました。

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「一緒に鳴らそう!」
とか。
「今度は木に聞かせてあげると!」
とか。
「虫に聞かせる!」
とか。
「電車に届け!」
とか。

私が考えてきたことのなんてつまらないことか!
と、早々に諦めて彼らが思いつくままに遊んでもらいました。

かないません。参りました。

えんげきあそび170507:レインスティックで音にさわってみよう!

年少組のえんげきあそび。あいにくの雨。4月はからだをめいっぱい動かして躍動的に遊んだので、今回は少し体を落ち着けて、感覚をとぎすますあそびを。

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窓を開けて、耳を澄ます。
何が聞こえる?
電車の音、バスの音、鳥の鳴き声・・・残念ながらその瞬間、雨は止んでいたので、私が連れてきた「雨音」を聞かせてあげよう。

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長い紙の筒に釘をらせん状に打ったもの。中を見てみる。釘がびっしり!

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今回はお米、ビーズ、小石の3種類を持ってきたので、まずはそれらをお椀に移す。そこでもとてもきれいな音がする。耳を澄ます。

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ひとりずつ、雨音のもとになる粒を触ってみる。どんな感触?つぶつぶ!ぶちゅぶちゅ!痛い!
敏感だなあ、とこちらが感心します。
じっくり触れてもらって、感じたことを自由に発言して、だいたい全然違う話が始まるのでおもしろいです。

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音の粒を中に入れて・・・

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ひとりずつ、雨音を鳴らしてみました。

やっぱり、年少さんを年長、年中さんたちとクラスを分けてよかったなぁと思いました。
年中、年長さんとは別の生き物、と言っても良いほど、感覚的に生きているので、今回のような触る、とか聴く、というワークの場合、反応がとってもビビッドで、いきいきとしてたのが印象的でした。
慎重につぶつぶを扱う子、大胆にざーっとする子、でもその指先はとても一生懸命な感じで。
おもしろいあそびでした。

えんげきあそび180416「かぜとあそぼう!」

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前年度に引き続き、2018年度も旭ヶ丘保育園でのえんげきあそびが始まりました。
今年度は年長、年中児のクラスと、年少児のクラス、2クラスを微妙に内容を変えてチャレンジしてみることになりました。
昨日は年長、年中児の初回。ということで、おなじみの「かぜとあそぼう!」をやりました。

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今年はテーマの「風」にぴったりな、「かぜのかみとこども」という民話の紙芝居を持って行きました。
南風のあんにゃ(お兄さん)にまたがって、梨や柿の実を食べに行った子供達は、あんにゃが先に帰ってしまったので、帰れなくなってしまって・・・
というおはなし。「あんにゃ、こわい!!!」・・・置いてけぼりは怖いですよね。わかります。
とりあえず、大きなポリシートで手にぐっと来る春の風を感じてもらって、そのままひとしきりおにごっこしました。

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あんにゃの頭になるといいなぁと思って、大きな枝を持って行きました。顔っぽくしといた部分に自由に飾り付けをお願いしました。

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真剣です。いつまででもやってくれそうだったので、もっとやってもらえばよかったですね。

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中途半端なところで止めてしまったせいか、こんなだるーんとした顔になってしまいました。。。
おかげで私もこんな顔になってしまいました。

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気を取り直して、練り歩きました。
手のコントローラーとして棒もつけました。交代で南風のあんにゃを動かして、春の大行進。

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野っ原最高!!!春を満喫しました!
体全部で春を体感して遊びました。
次回は年少児と春風で遊ぼうと思います。

つくってあそぼうあやつりにんぎょう!

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今年度最後のえんげきあそびは「つくってあそぼう あやつりにんぎょう」をやりました。

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みなさんご存知、美術家の林由未さんの絵本「つくってあそぼう あやつりにんぎょう」の付録に付いている操り人形の絵を使って、操り人形を作って遊びます。

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事前に絵を厚紙に貼って、切り取るところまでは作業を進めておいてくれたのはとても助かりました。
糸あやつりは難しかったなぁ〜!!先生方のサポートのおかげでなんとかかんとか。。。

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ダンボール劇場は僭越ながらわたくしめが作りました。
みんなテンション振り切れてるので写真がブレます。最終的には糸あやつり人形はからまりまくるわ、劇場ごとどこか遠くへ運ばれて、それをわらわら追いかける人の波が見えました。。。

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こんにちわ!こんにちわ!としきりに挨拶をかわすのでブレます〜。止まってはくれません〜。

それぞれの人形の操作とか、動かし方なんかは軽くお伝えしたのだけど、楽しいところだけチョイスしてあとは受け流していたな、みんな。
もっと遊び込むと一歩踏み込んで、動かし方だのお話の世界だのについて目が向くようになるかもしれないけど、今日はもうとにかく人形を動かすことに夢中!といった感じ。
製作については反省点多し。ひもや糸を結ぶ、という活動は日々の生活の中でいかにそういう活動をしてるかということと、あと、それぞれの手先の器用さにも関わるので、限られた時間の中でやるのは工夫が必要だったな、と。でもちゃんと仕上がれば複雑な動きもできるので、初めは簡単な人形から作ってみて、徐々に複雑なものに挑戦していくってのもありかなと思いました。
いやぁ、使える!この絵本!(宣伝です!きっぱり!)
福音館書店のかがくのとも2017年10月号のつくってあそぼうあやつりにんぎょう

2017年度のえんげきあそびはこれにておしまいです。今年度は私の産休も入ったのに、こんなにたくさんのえんげきあそびを、こんなに素敵な友達とたくさんできたこと、心から感謝です。
生活の中で演劇に触れる時間をこどもたちに提供できれば、と思って始めたえんげきあそび。音や、光を使ってあそんだり、風を感じる、とか、体を動かす、など、色々一緒に遊ばせていただきました。
もう少しうまくファシリテートできるようにはした方がいいかとは思いますが、「教える」という形にはなるべくならないようにしたいなぁと常々模索しています。どうやったらこどもたちを刺激できるだろう。どうやったらこの子のやる気スイッチを押せるだろう、どうやったらこの子の心の扉をノックできるだろう。そのコミュニケーションの連続だった気がします。正解もないし、目に見える効果や役に立つ何かが手に入るわけでもないのですが、面白いあそびを発見した時のこどもたちの目の輝きは、それこそが人間の可能性だと確信する程です。発展途上のこの挑戦に、場を提供してくれた、旭ヶ丘保育園のみなさま、ご協力くださった先生方、そしてなにより最高の友達みんなに、心から感謝を!ありがとうございました。

来年度も引き続き、あそぼう!!
楽しみにしています。

生活発表会てぶくろ@旭ヶ丘保育園

2月24日に、旭ヶ丘保育園で生活発表会がありました。
えんげきあそびの枠で10月から取り組んできた「てぶくろ」。遂に本番の日を迎えました。
作品を選ぶところから、配役、細かいせりふなど、なるべくこどもたちから出てきたものを拾いたいと、担任の先生とみんなと一緒に作り上げてきた作品でした。本番までは当日を楽しみにしている方にネタバレになってしまうこともあり、写真は出せませんでした。そして本番当日は私も演奏で作品に加わっていたし、先生方は手一杯、圭くんは出張中で、なんと本番の写真は一枚も撮れず・・・無念すぎる。
なので、本番直前のプリセットの写真だけ。

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舞台奥の幕を開けて舞台裏からの写真。
本番では取り入れられませんでしたが、不織布を雪に見立てて、ふわふわさせてみんなで遊んだ時間もありました。

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保育士の先生というのは、本当ーーーーーに、偉大です。
私が他の仕事に気を取られている一瞬のうちにこれだけの衣装、小道具を全て作ってしまいました。本来、保育士の先生がたのこういった仕事を少しでもお手伝いできたらと思っていたのですが、あまりの優秀さに・・・圧巻。

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私の一人芝居用の影絵素材も使ったり。

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トーンチャイム演奏隊も驚異の集中力でがんばりました。

本当に本当に貴重な体験でした。
自分の作劇でさえもあっちにぶつかり、こっちにぶつかりしながら、目をつぶって粘土をこねくり回すような時間を経てようやく作り上げるような私が、こどもたちと一緒に作品を作る・・・間違いなくカオスが立ち現れることでしょう、と我ながら思っていたのですが、担任の先生の涙ににじんだ目が私を奮い立たせてくれました。
芝居が始まったらもう止められないということ。一緒に舞台に立っている共演者と気持ちを合わせること。敏感にものを、見て、聞いて、感じること。
子供たちとお芝居について話す時、口走ったあとに自分がハッとするような瞬間ばかりでした。学び直す、というか、生き直す、というか。。。
彼らと過ごす時間は、自分と向き合う時間だな、と。彼らとともにこの作品を体験することで一緒にたくさんの問いを乗り越える時間でした。むしろ彼らの中にははじめから、天然の正解が無数に存在していて、その扉をひとつずつノックすると「ほらやっぱりね!みんな、すごいよ!」っていう瞬間の連続でした。
彼らが舞台に立つその自然な姿は、いつも、どの現場でも胸打たれるのですが、かける言葉なんか何も必要としてない。彼らそれぞれが、自分らしくその場に存在するだけで、そしてただただひたすら懸命にその場で自分の役割を果たそうとするだけで、もうこれ以上ないほどエネルギッシュに輝いて見える。エネルギーの塊。生命そのもの。『指導』なんておこがましいことはそもそもできませんが、私がやれることといったら、彼らがその世界に夢中になれるように、突っ走れるように、準備をしてあげることだけだなと。

こんなことしたいな、あんな風にしたいな、と想像することを、いろんな人とすり合わせて行く内に、いつの間にか自分が当初言っていたアイデアは溶けて見えなくなっているけど、だけどその結果はとても愛しい。そんな瞬間をまた垣間見ることができたらこれ幸い。

底知れぬパワーの渦みたいな共演者のみんな、先生、お疲れ様でした。
心から感謝を込めて。

さあ、3月のえんげきあそびは、林由未女史の「つくってあそぼうあやつりにんぎょう」で遊びます!

ヤマネコ毛布と紙版画WS@ふくちのち

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以前、501FURNITUREのきのこイス製作WSでお世話になった、福智町の図書館、ふくちのち。
ちょうどいま、ヤマネコ毛布の原画展をやっていて、紙版画のワークショップがありました。
ヤマネコ毛布は想くんも私も大好きな絵本。しかも山福さんが紙版画のワークショップ!そして我が家は断然の猫派!
とあらば、昨年亡くなったしまちゃんの遺影を紙版画で作ろうではないか!ということで、ノリノリで参加してきました。

厚めの紙に下絵を描いて、ニードルなどで引っ掻いて。。。
油性のインクの匂い。小学校の木版画以来。懐かしい。

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想くんがプレスしました。いいなあ、プレス機。

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いやあ、版画っておもしろい!!
山福さん曰く、インクを入れるのも、拭き取るのも、全部がニュアンスになる。
我々、絵のセンスは皆無ですが、

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良い感じに遺影っぽく仕上がって、大満足しております。
またやりたいなぁ、紙版画。

ヤマネコ毛布原画展は2/12まで。
来週は山福さんのライブもあるらしいです。山福さん、多才だ。。。

baby theatre,Dalija Acin Thelander WS_参加記録

寒中見舞い申し上げます。昨年はマイペースながらも充実した活動をさせていただきました。お世話になったみなさま、ありがとうございました。
今年は昨年に引き続き幼稚園、保育園での出張上演やえんげきあそびとともに、501FURNITUREの店舗でも上演をしていきたいなと考えています。
また、秋にちょっと大きな企画も計画しているのでまた少しずつお知らせしていけたらと思います。

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さて、新年早々ベイビーシアターのWS参加の為に、然くんだけを連れて上京してきました。
ベイビーシアターについては昨年のちょうど今頃、つわりでグロッキーになりながらジャッキー・E・チャンさんのレクチャーを受けに福岡市まで行ったことがありました。ジャッキーさんのお話は脳科学的なアプローチも多く、アカデミックな印象で、本当に大きな刺激を受けることができました。今回講師をしていたダリアさんからはより実践的なお話を聞かせていただいた気がします。本当に多くの気づきとひらめきをもらえました。自分の仕事を通して実現できることがちりばめられた話だったので、咀嚼して、トライしていこうと思いました。

1日目はダリアさんの創作についての話もしつつ、乳幼児の発達段階についての基本的な話や、参考文献についての解説も織り交ぜながら、乳幼児のための舞台芸術が彼らの発達においてどんな影響を与えうるのかについて。
2日目はダリアさんの演出作品を例に、音楽や美術についてのお話や、具体的に会場で起こった事例などを元に観客との関わりについてのお話なども。多岐にわたるトピックをかなり詳細に話してくれたので、ヒントになるキーワードが散りばめられたお話でした。

オイリーカートが実践する障害を持つこどもたちの為の多感覚演劇とも、共通項は多いものの、別物だなと感じました。ベイビーシアターはよりインタラクティブな要素が強い印象。観客が入って初めて成立する部分が多い。ドラマトゥルグも必要ない、とまで言い切っていたのはとても印象的だった。観客(ベイビー)と演者の境を取り払っていく作業。その為に演者に求められる知識と感覚。自分の作劇に立ち返って、聞いてきた話を反芻すると、目が冴えて全く眠れなくなるほどでした。

演劇が教育的であることに対しては反対の立場であると言っていたのが意外に感じた。演劇は教育以上のものであるという考えだから、ということだったけど、その場でいう「教育」の定義が曖昧だったので、しばらく考えてしまった。なぜなら、提示してくれた様々な参考文献や、ダリアさんが感じていることはモンテッソーリやレッジョなどの幼児教育で言われていることと重なることが非常に多かったから。こどもの発達段階に対して慎重に注意を払う、ていう意味ではそれが教育だろうが演劇だろうが、掲げる看板の違いだけのようにも思えた。しかし「アーティストの直感を大切に」「アーティストとしてこどもたちとどう出会うか、どう向き合うか」や、イデオロギーのくだりを聞いて、少し腑に落ちた。あくまでも演劇作品を作るのだ、作り手の本分がすり替わらないように、ということなのかなと思った。

これまで、私が提供してきた作品の上演中でも、他の人の作品でも、小さな観客が芝居には目もくれずにその場にあったものをおもちゃにして遊びはじめたり、ウロウロ歩き回ったり、全く関係ないことをしゃべり始めたり、ということはよくあることだった。日常茶飯事といってもいいくらい。そしてそんなこどもたちに、「ちゃんと見なさい」「静かに!」と親御さんや先生が注意をしたり、ひどいときは動かないように押さえつけたり、悲しいことにその場から出て行ってしまうこともよくあった。その度に、悪いのはその子じゃないんだけどな、という思いでいっぱいになった。多くの子供向けの芝居は3歳以上が対象だ。0歳から楽しめる作品です、と謳ってはいてもその実、0歳たちは置いてけぼりにされている光景はよく見かける。今思うと私もそのクチだ。彼らは人生の中で感覚的に、発達段階としても、特別な時期にいる。彼らに徹底的に寄り添う舞台作品を作ることは、これまでの作劇とは全く違うチャレンジになるだろうと思った。正直、現実問題、色々壁がある。自分が今、求められる現場の要望と擦り合せるのはかなり難しそう。まあでもやってみるだな、と思いました。

挙げ始めたらきりがないので、とりあえずこの辺で。
あとは実践あるのみ。

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二日間、ニコニコ笑って過ごしてくれたうちのベイビーと、家で待っていてくれた家族に感謝です。

終了しました:The mitten, The Red Ridinghood,てぶくろ

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12/17に宗像市にて新作人形劇"The mitten"と"The Red Ridinghood"の上演をさせていただきました。
"The mitten"は先月のプレ上演からかなり演出を加えての上演になり、全編英語でお届けしました。言葉数をなるべく少なくし、シンプルな繰り返しのお話しの醍醐味を楽しんでもらえたらと思い、製作しました。日本語より英語のほうがぴったりくる感じになりました。
"The Red Ridinghood"はこれまで二人体制で上演してきたものを一人で上演できるように作り直して、さらにこちらも全編英語に直しました。
こちらは既存の台本がかなり喋る台本だったので単純に英語に直すだけだとおもしろく見えるのか不安な側面もありましたが、最終的には違和感もなく仕上がりました。既存の作品にしろ、新作にしろ、母国語でない言葉で台本を整理していく作業は、実はとても面白い作業です。音楽や動きと同じく、セリフもその作品を構成する記号のひとつなので、削いで削いで、いや付け足して、という作業は目に見えない彫刻を作っているような感覚で・・・その繊細さはお客様には関係ないと言ってしまえば関係ない、でも実は一番大切なんじゃないかとも思える作業でした。
宗像のお客様は上品で暖かく、終演後も人形たちと触れ合ったり、てぶくろに入ってみたり。楽しんでいただけたようで、本当に良かったです。

12/25はいつもえんげきあそびでお世話になっている旭ヶ丘保育園で「てぶくろ」日本語版の上演でした。
こどもたちにとっては、生活発表会で上演する「てぶくろ」。今日はたにやん、それひとりで演るよ!と始めさせてもらいました。
いつものえんげきあそびの延長のような空気だったので、こどもたちの緊張感はまるでなく。良い意味で最高にリラックスした状態で見てくれました。
あまりに心の距離感が近すぎて、私のほうがペースを乱す場面もありました。勉強になりました(汗)。

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てぶくろはまだ生まれたばかりの作品です。たくさんの人に愛される作品に育てていきたいと思います。

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旭ヶ丘キッズにクリスマスプレゼント。いつも舞台美術でお世話になっている林由未さんが福音館から絵本を出しました!!
しかも付録であやつりにんぎょうが作れるという!!3月のえんげきあそびの教材として使うので、フライングで絵本だけプレゼントです。

これで、2017年のDivadlo501の上演は終了です。今年は出産もあったので、ぼちぼちマイペースでしたが、おかげさまで充実した1年になりました。
特に妊娠中、出産前後などの私の都合やわがままに付き合ってくださった共演者やご協力いただいた方々には感謝しかありません。本当にお世話になりました。まだ然くんも4ヶ月なので、引き続きぼちぼちでしか動けませんが、ゆっくりゆっくり歩んでいこうと思います。
皆様良いお年を!
来年もよろしくお願いします。