divadlo

舞台

あかずきん@戸畑こどもと母の図書館:ありがとうございました

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8/27(土)、戸畑こどもと母のとしょかんで「あかずきん」を上演させていただきました。
ご来場くださった皆様、ありがとうございました!
予想を遥かに超える数のお客様にお越し頂き、毎月恒例のえいごのおはなし会を楽しみにしていらっしゃった方々にはとてもご迷惑をおかけしてしまったように思います。また、見えづらいことも多々あったかもしれません。なにより少し前倒しで上演を始めてしまったことでご迷惑をおかけした方がいないか・・・少し心配ではありますが、お芝居が始まってすぐ、あんなにちいさな子どもたちが、ぐぐぐっと音をたてて世界に突入して行く様は、何度思い出してもぞくぞくする、最高にしあわせな時間でした。

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今回は未就学児率の高いお客さまでしたが、その集中力と反応の良さったら!
シンプルな人形のシンプルな動き、シンプルな場面展開と繰り返しはまさに彼らにぴったりな感じで、どんどん場が盛り上がって行ったように思います。

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上演後はやはり人形を触ってみようの時間を設けましたが、こんなに小さなお客様がよちよちわらわら集まってきた光景も胸きゅんでした。
そしてこのこけし人形の魅力をこの小さなお客様方に改めて教えてもらったのですが、とにかくとんとん鳴らしたいらしい。初めこの人形を美術家から受け取った時に、手足の無いこのこけしをどうやって操れというのか、表現、表情をつける術がないように感じてうちひしがれた瞬間がありましたが、いやなんと。自然と編み出されたその操演法が、こんな小さな子のこころをワシ掴みにしている光景を見て、人形劇って深い!と今更ながら思いました。ほんと、今更。

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そしてなにより今回私を心から楽しませてくれたのは、つかのみきさんでした。
当初、私一人で上演する予定でしたが、おはなししているうちにあれよあれよと話が繋がって、稽古まで付き合ってくれて、すっかりコラボ作品になりました。
北九州で舞台活動を続けて居る方々はたくさんいるのですが、なかなか繋がる機会が無かった私ですが、今回初めてこういう形で一緒に何かを作れたことは本当に嬉しいことでした。やっぱり人を知るには、一緒に演劇しないとわかんないな、と勝手に思いました。私にとって演劇って、人を知る道具だ、と。
何を言っても受けとめてくれて心から感謝します。のびのびできました。ありがとうございました!

図書館という誰でも入れる場所で、演劇に触れる機会が少ない人もそうでない人も、劇場に行けない人もそうでない人も、0歳でも、子連れでも、お金なくても、見られる「演劇」だといいなあと思いました。その為にはまずは創る側の精進が大事ですね。今後も引き続き精進します。
「図書館」という場所は現実と夢の出入り口のようで、演劇するにはぴったりの場所だと思いました。特に戸畑こどもと母の図書館は、希有な場所だと思いました。こじんまりした落ち着いた、懐かしい雰囲気。話しやすい司書さん。大きな図書館も重要ですが、小さな図書館がたくさん点在している方が良いと思いますが、北九州市は真逆の方針らしいですね。どうなるかな。

さて、実はこの図書館での上演の後、つかのさんのご紹介で絶賛キッズキャンプ中のアイアンシアターでも上演させて頂きました。そのお話はまた明日。

ひとまず、ありがとうございました!

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終了しました:The mitten, The Red Ridinghood,てぶくろ

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12/17に宗像市にて新作人形劇"The mitten"と"The Red Ridinghood"の上演をさせていただきました。
"The mitten"は先月のプレ上演からかなり演出を加えての上演になり、全編英語でお届けしました。言葉数をなるべく少なくし、シンプルな繰り返しのお話しの醍醐味を楽しんでもらえたらと思い、製作しました。日本語より英語のほうがぴったりくる感じになりました。
"The Red Ridinghood"はこれまで二人体制で上演してきたものを一人で上演できるように作り直して、さらにこちらも全編英語に直しました。
こちらは既存の台本がかなり喋る台本だったので単純に英語に直すだけだとおもしろく見えるのか不安な側面もありましたが、最終的には違和感もなく仕上がりました。既存の作品にしろ、新作にしろ、母国語でない言葉で台本を整理していく作業は、実はとても面白い作業です。音楽や動きと同じく、セリフもその作品を構成する記号のひとつなので、削いで削いで、いや付け足して、という作業は目に見えない彫刻を作っているような感覚で・・・その繊細さはお客様には関係ないと言ってしまえば関係ない、でも実は一番大切なんじゃないかとも思える作業でした。
宗像のお客様は上品で暖かく、終演後も人形たちと触れ合ったり、てぶくろに入ってみたり。楽しんでいただけたようで、本当に良かったです。

12/25はいつもえんげきあそびでお世話になっている旭ヶ丘保育園で「てぶくろ」日本語版の上演でした。
こどもたちにとっては、生活発表会で上演する「てぶくろ」。今日はたにやん、それひとりで演るよ!と始めさせてもらいました。
いつものえんげきあそびの延長のような空気だったので、こどもたちの緊張感はまるでなく。良い意味で最高にリラックスした状態で見てくれました。
あまりに心の距離感が近すぎて、私のほうがペースを乱す場面もありました。勉強になりました(汗)。

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てぶくろはまだ生まれたばかりの作品です。たくさんの人に愛される作品に育てていきたいと思います。

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旭ヶ丘キッズにクリスマスプレゼント。いつも舞台美術でお世話になっている林由未さんが福音館から絵本を出しました!!
しかも付録であやつりにんぎょうが作れるという!!3月のえんげきあそびの教材として使うので、フライングで絵本だけプレゼントです。

これで、2017年のDivadlo501の上演は終了です。今年は出産もあったので、ぼちぼちマイペースでしたが、おかげさまで充実した1年になりました。
特に妊娠中、出産前後などの私の都合やわがままに付き合ってくださった共演者やご協力いただいた方々には感謝しかありません。本当にお世話になりました。まだ然くんも4ヶ月なので、引き続きぼちぼちでしか動けませんが、ゆっくりゆっくり歩んでいこうと思います。
皆様良いお年を!
来年もよろしくお願いします。

国際姉妹都市祭in京都駅ビル2016

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直前の告知になってしまいました。9月25日に京都で人形劇パフォーマンスを上演します。
いつも強力タッグを組ませて頂いている人形作家の林由未さんをなんと舞台に押し上げて!満を持して!むしろ彼女を中心とした人形劇の世界を構築しています。関西方面の皆様にお会い出来るのを楽しみにしつつ、現在モーレツに準備中です。

公式サイト→国際姉妹都市祭in京都駅ビル


●○● 国際姉妹都市祭 in 京都駅ビル ●○●
ー京都・プラハ姉妹都市提携20周年事業ー

■チェコ カルチャーパーク 9/25(日) 13:00-17:30
 京都駅ビル 駅前広場 (ホテルグランヴィア京都南)
 ◎ナビゲーター:講談師 旭堂南陽
 ◎出演:
  *チェコ人形劇
   林 由未(人形作家) / 谷口 直子(人形劇役者)
  *ストリート・ライブ Street Live
   かとうかなこ (アコーディオン)
   岡崎泰正(ギター) / 田中良太(パーカッション)
  *大道芸
   ミスター・ハム
  *チェコアニメ上映会
   アマールカシリーズ「森番をやっつけた日」 
   もぐらのクルテク 「もぐらくんとどうぶつえん」
   シュヴェイクが行く!「列車騒動をおさめろ」
   ぼくらとあそぼう!「さかなのおはなし」 他
【お問合せ】
京都駅ビルインフォメーション 075-361-4401(10:00-19:00)

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寒中見舞い申し上げます。昨年はマイペースながらも充実した活動をさせていただきました。お世話になったみなさま、ありがとうございました。
今年は昨年に引き続き幼稚園、保育園での出張上演やえんげきあそびとともに、501FURNITUREの店舗でも上演をしていきたいなと考えています。
また、秋にちょっと大きな企画も計画しているのでまた少しずつお知らせしていけたらと思います。

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さて、新年早々ベイビーシアターのWS参加の為に、然くんだけを連れて上京してきました。
ベイビーシアターについては昨年のちょうど今頃、つわりでグロッキーになりながらジャッキー・E・チャンさんのレクチャーを受けに福岡市まで行ったことがありました。ジャッキーさんのお話は脳科学的なアプローチも多く、アカデミックな印象で、本当に大きな刺激を受けることができました。今回講師をしていたダリアさんからはより実践的なお話を聞かせていただいた気がします。本当に多くの気づきとひらめきをもらえました。自分の仕事を通して実現できることがちりばめられた話だったので、咀嚼して、トライしていこうと思いました。

1日目はダリアさんの創作についての話もしつつ、乳幼児の発達段階についての基本的な話や、参考文献についての解説も織り交ぜながら、乳幼児のための舞台芸術が彼らの発達においてどんな影響を与えうるのかについて。
2日目はダリアさんの演出作品を例に、音楽や美術についてのお話や、具体的に会場で起こった事例などを元に観客との関わりについてのお話なども。多岐にわたるトピックをかなり詳細に話してくれたので、ヒントになるキーワードが散りばめられたお話でした。

オイリーカートが実践する障害を持つこどもたちの為の多感覚演劇とも、共通項は多いものの、別物だなと感じました。ベイビーシアターはよりインタラクティブな要素が強い印象。観客が入って初めて成立する部分が多い。ドラマトゥルグも必要ない、とまで言い切っていたのはとても印象的だった。観客(ベイビー)と演者の境を取り払っていく作業。その為に演者に求められる知識と感覚。自分の作劇に立ち返って、聞いてきた話を反芻すると、目が冴えて全く眠れなくなるほどでした。

演劇が教育的であることに対しては反対の立場であると言っていたのが意外に感じた。演劇は教育以上のものであるという考えだから、ということだったけど、その場でいう「教育」の定義が曖昧だったので、しばらく考えてしまった。なぜなら、提示してくれた様々な参考文献や、ダリアさんが感じていることはモンテッソーリやレッジョなどの幼児教育で言われていることと重なることが非常に多かったから。こどもの発達段階に対して慎重に注意を払う、ていう意味ではそれが教育だろうが演劇だろうが、掲げる看板の違いだけのようにも思えた。しかし「アーティストの直感を大切に」「アーティストとしてこどもたちとどう出会うか、どう向き合うか」や、イデオロギーのくだりを聞いて、少し腑に落ちた。あくまでも演劇作品を作るのだ、作り手の本分がすり替わらないように、ということなのかなと思った。

これまで、私が提供してきた作品の上演中でも、他の人の作品でも、小さな観客が芝居には目もくれずにその場にあったものをおもちゃにして遊びはじめたり、ウロウロ歩き回ったり、全く関係ないことをしゃべり始めたり、ということはよくあることだった。日常茶飯事といってもいいくらい。そしてそんなこどもたちに、「ちゃんと見なさい」「静かに!」と親御さんや先生が注意をしたり、ひどいときは動かないように押さえつけたり、悲しいことにその場から出て行ってしまうこともよくあった。その度に、悪いのはその子じゃないんだけどな、という思いでいっぱいになった。多くの子供向けの芝居は3歳以上が対象だ。0歳から楽しめる作品です、と謳ってはいてもその実、0歳たちは置いてけぼりにされている光景はよく見かける。今思うと私もそのクチだ。彼らは人生の中で感覚的に、発達段階としても、特別な時期にいる。彼らに徹底的に寄り添う舞台作品を作ることは、これまでの作劇とは全く違うチャレンジになるだろうと思った。正直、現実問題、色々壁がある。自分が今、求められる現場の要望と擦り合せるのはかなり難しそう。まあでもやってみるだな、と思いました。

挙げ始めたらきりがないので、とりあえずこの辺で。
あとは実践あるのみ。

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二日間、ニコニコ笑って過ごしてくれたうちのベイビーと、家で待っていてくれた家族に感謝です。

京都でずきんずきん

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ずいぶん時間が経ってしまいましたが・・・国際姉妹都市祭in京都駅ビル2016、無事に終了しました。
ご来場頂いたみなさま、ありがとうございました。

今回は、今回こそは、本当ーーーに、貴重で濃密で、忘れられない数日間になりました。いつもそう言っている気がしますが、そういうことの連続なのかもしれませんがいや、それにしてもなかなかにチャレンジングな夏でした。

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何より特筆すべきなのは、イベント全体のナビゲーションを担当していらっしゃる旭堂南陽さんに語りとして入って頂き、更にアコーディオニストのかとうかなこさんにも参加して頂いて演奏していただくという豪華さ。しかも打合せは本番の2日前のみ。しかも書いた台本は全力の宴会芸。。。そうなんです、私たち今回良い歳して一夏を捧げて真剣に、いかにふざけたあかずきんを上演するかだけを考えて準備してきたのです。ふざけるんじゃないって言われたらどうしよう、あやまろう、心から謝罪してでもやってもらうしかない!とガタガタ震えながらリハーサルを迎えました。しばしば微妙なムードを感じつつもなんとかかんとか稽古していただいて、どうにか怒られずにやりすごすことはできました。が、肝心の我々の芝居が、100点満天中2点くらいの出来だったので、本番前日はボロ雑巾になるまで稽古しました。

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最初は「林さん、京都でトークショー出てください。」のオファーだったのに、なぜこんなにもボロボロになりながら京都タワーに向かって「ずきんずきん」言っているのか、誰からも頼まれていないのになぜ二人して大汗かきながらばかばかしいことこの上ない話を繰り広げているのか。。。トークショーからのあまりのギャップに目眩がしますが、我々は至極真っ当に、真剣に、確信を持って舞台に立っていたことは間違いないです。なかなか良い感じに仕上がったんじゃないだろうか。

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フィナーレ。他の出演者のみなさまったら・・・素敵すぎ!!!久しぶりの打ち上げも楽しすぎる席でした。
畑の違う方々なのに同じイベント、というだけでこんなに一体感を感じることができるなんて。
初めての経験もたくさんあって、自分の知らない世界がこんなに広いことに、胸がときめきました。

準備を進めてくださったスタッフの皆様、今回の機会を与えてくださったことに心から感謝します。
また近いうちに皆様にお会い出来ますように!

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そしてなにより、ご来場いただいたすべてのみなさまに、ありがとうございました!

生活発表会てぶくろ@旭ヶ丘保育園

2月24日に、旭ヶ丘保育園で生活発表会がありました。
えんげきあそびの枠で10月から取り組んできた「てぶくろ」。遂に本番の日を迎えました。
作品を選ぶところから、配役、細かいせりふなど、なるべくこどもたちから出てきたものを拾いたいと、担任の先生とみんなと一緒に作り上げてきた作品でした。本番までは当日を楽しみにしている方にネタバレになってしまうこともあり、写真は出せませんでした。そして本番当日は私も演奏で作品に加わっていたし、先生方は手一杯、圭くんは出張中で、なんと本番の写真は一枚も撮れず・・・無念すぎる。
なので、本番直前のプリセットの写真だけ。

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舞台奥の幕を開けて舞台裏からの写真。
本番では取り入れられませんでしたが、不織布を雪に見立てて、ふわふわさせてみんなで遊んだ時間もありました。

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保育士の先生というのは、本当ーーーーーに、偉大です。
私が他の仕事に気を取られている一瞬のうちにこれだけの衣装、小道具を全て作ってしまいました。本来、保育士の先生がたのこういった仕事を少しでもお手伝いできたらと思っていたのですが、あまりの優秀さに・・・圧巻。

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私の一人芝居用の影絵素材も使ったり。

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トーンチャイム演奏隊も驚異の集中力でがんばりました。

本当に本当に貴重な体験でした。
自分の作劇でさえもあっちにぶつかり、こっちにぶつかりしながら、目をつぶって粘土をこねくり回すような時間を経てようやく作り上げるような私が、こどもたちと一緒に作品を作る・・・間違いなくカオスが立ち現れることでしょう、と我ながら思っていたのですが、担任の先生の涙ににじんだ目が私を奮い立たせてくれました。
芝居が始まったらもう止められないということ。一緒に舞台に立っている共演者と気持ちを合わせること。敏感にものを、見て、聞いて、感じること。
子供たちとお芝居について話す時、口走ったあとに自分がハッとするような瞬間ばかりでした。学び直す、というか、生き直す、というか。。。
彼らと過ごす時間は、自分と向き合う時間だな、と。彼らとともにこの作品を体験することで一緒にたくさんの問いを乗り越える時間でした。むしろ彼らの中にははじめから、天然の正解が無数に存在していて、その扉をひとつずつノックすると「ほらやっぱりね!みんな、すごいよ!」っていう瞬間の連続でした。
彼らが舞台に立つその自然な姿は、いつも、どの現場でも胸打たれるのですが、かける言葉なんか何も必要としてない。彼らそれぞれが、自分らしくその場に存在するだけで、そしてただただひたすら懸命にその場で自分の役割を果たそうとするだけで、もうこれ以上ないほどエネルギッシュに輝いて見える。エネルギーの塊。生命そのもの。『指導』なんておこがましいことはそもそもできませんが、私がやれることといったら、彼らがその世界に夢中になれるように、突っ走れるように、準備をしてあげることだけだなと。

こんなことしたいな、あんな風にしたいな、と想像することを、いろんな人とすり合わせて行く内に、いつの間にか自分が当初言っていたアイデアは溶けて見えなくなっているけど、だけどその結果はとても愛しい。そんな瞬間をまた垣間見ることができたらこれ幸い。

底知れぬパワーの渦みたいな共演者のみんな、先生、お疲れ様でした。
心から感謝を込めて。

さあ、3月のえんげきあそびは、林由未女史の「つくってあそぼうあやつりにんぎょう」で遊びます!

オイリーカート インクルーシブシアターワークショップ

防備の為、長文です。

ついこないだまで京都でずきんずきん言っていた私ですが、家族に無理を言って、今度は東京で4日間、とあるワークショップに参加させてもらいました。

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オイリーカート インクルーシブシアターワークショップ。こちらの東京開催に参加させていただきました。
イギリスで30年以上にわたり、幼児から様々な障がいをもつ子どもたちを含む、すべての子どもたちに優しく寄り添い、美しくて、ユニークな演劇体験を提供してきた劇団、オイリーカート。今回、芸術監督のティムと、美術監督のアマンダが来日するとのこと。彼らの公式HPや劇団の活動にまつわる論文を読みながら、どんどん興味を深めて行く中で、正直一番心惹かれたのはこのワークショップの謳い文句でした。「知的障がいをもつ子どもたちにとっての鑑賞の意義を探るとともに、いわゆる演劇の演技とも、演劇教育に求められる資質とも少し異なる、子どもたちの反応をひきだし、受けいれ、応じていくパフォーマーの位置と姿勢、そしてスキルについても学びます。」日頃、こどもたちの為に小さな作品を上演している私にとって、いつも気になっていること。いわゆる演劇の演技とは少し違う感覚が必要であること。子どもたちの反応をいかに引き出すか、そのコミュニケーションの姿勢。障がいのある子どもたちの為だけに上演をした経験はないけど、彼らの活動を見ているとまさに今の自分に必要なことがちりばめられていると確信したので、圭くんや義両親、そしてなにより想くんに頼み込んで、少し無理をして、行かせてもらいました。

1日目のセミナーは彼らの上演映像や写真を見つつ、どのような点を重視して活動を続けてきたか、観客とどのように関わっているのかなどのお話を聞かせて頂いた。

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彼らはひとつの作品について障がいのない子供達に向けた上演バージョン、PMLD( 重度重複障がい児)のこどもたちに向けたバージョン、ASD(自閉症スペクトラム)のこどもたちに向けたバージョンと、3パターンを制作しており、そのそれぞれの上演パターンはそれぞれのこどもたちの特性に合わせたものになっていた。さらに言うと、子供たちそれぞれの個人的な特性にまでも合わせてその対応を変える、オーダーメイドの演劇、と言っていいほど丁寧な作りをしていた。
上演の前に、こどもと一緒に観劇する親御さんや先生方とコミュニケーションしてこどもたちがその作品世界に快適に存在し、その体験を存分に味わう為の準備をする。その段階から既に上演が始まっている。とても繊細で緻密な準備と、あらゆる事に対処する為の余白。だけど無駄がない印象だった。そのスマートさは特別なトレーニングの結果というよりは、いかに演劇で緻密なコミュニケーションをするかという実践の蓄積のように見えた。

障がいを持つ子供の場合、お芝居の始まりの部分をエンディングの段階で覚えていられなかったり、興味を失ってしまっていたりすることがある。そんな場合でもその子供達なりにその世界を味わえる、体験できる工夫が必要だ、と。そうして彼らがなしている工夫は、よりその世界観にクローズアップして、近寄って、”理解する”のではなく”体感する”ことができるようにしているように感じた。手触り、音、匂い…。一人一人がどのような体験をし、何を感じるかに特に焦点を置いて、作品を制作していた。

セミナーの翌日からはワークショップを3日間。場所はセミナーも含めて新宿区のとある施設の一室を借りて開催されていた。3日間を通して、基本的なシアターゲームやグループワークを通して何度か小さな作品制作を行い、その都度お客様を招いて見て頂いたり、フィードバックしたり。最終日には入居している利用者さんやこどもたちをお招きして少しまとまったパフォーマンスを見せる。というものだった。

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日々、新たな発見があったり感動したりしたのだが、3日間を通しての感想は・・・目からウロコ、とは違う、ただ、今まで自分がなんとなく指向していたぼんやりした海流が一気にぐっと近づいて本流に巻き込まれたような。。。ああ、こっちで間違いなかった!という確信に頬をなでられるような感覚がたくさんあった三日間だった。
今回私たちが作った短いパフォーマンス、特に「テーブルトップパフォーマンス」は、観客の前にテーブルを置いて、一人か二人の観客とそのケアをする人(親御さんか施設の担当の方)に向かって、なにか特定のストーリーを展開するのではなくて、自分が持っている道具や音などを使って観客に感覚的な働きかけをしていく、というものだった。観客によっては準備しておいたものが全く通用しないので別のアプローチを試すことになったり、場合によっては全然とっかかりがなくて不完全燃焼に終わったりする場面もあったのだが、基本的にはごく少数の観客と、深くコミュニケーションを交わすような仕組みになっていた。
それは、これまで自分が演劇を続けてきたことの根源的な理由を突きつけられるような瞬間の連続だった。
「私、こういうのを持ってきたんですが、どうでしょう?」に対して「うーん。。。おもしろいね!」とか「全然おもしろくない!」とか、無言で何も言わないけど、じっと見ているとか。中にはもう嬉しくて叫び出しちゃう人もいれば、イライラしてそっぽを向いてしまったり。そこには必ずリアクションがあって、そして私たちはそれを決して無視できない。どうにか拾って、なんとかしようとする。
そうこうしているうちに、演者も気付いているかいないかわからないけど、とても美しい瞬間が訪れたりする。訪れないこともあるけど。その余白もまたワンダフルだったりする。それもこれも全部ひっくるめて、ああ、inclusiveって私たちが包むんじゃなくて、私たち、包まれる側だったのだ。と静かに胸打たれたのでした。

こどもの為に演劇を作りたいと思ったとき、そうだったとふと思い出した。観客であるはずのこどもたち、ワークショップの参加者であるはずのこどもたちから、私たちはいつもたくさんのことを教えてもらっていたのでした。彼らの反応はいつもヴィヴィッドで、新鮮で、優しくて、手厳しい。人間であることそのものだったから、迂闊な私はいつも脇腹をつつかれて、油断するな!だけど、一番自分が楽しめ!と彼らに言われてここまで来た気がします。
今回目の前にした観客はこれまで相手にしたどの子どもたちよりも鋭敏な感覚を持ち、さらに正直で、さらに鋭く、手強い、そして誰よりも優しい観客だった気がします。そして例の如くまた、悪戦苦闘する私を包んでくれたのでした。

歳を重ねるごとに涙もろくなって、今回も良い歳して大勢の人の前で涙が止まらなくなってしまったのは内緒です。(ああ、恥ずかしい。頼む、みんな、忘れてくれ。)そんな私を美術監督のアマンダは優しく抱きしめてくれて別室へ連行し、優しく諭してくれました。
「なぜ私たちが、子どもたちや障害を持つ人の為に演劇を作るか。それは、それが一番面白いからよ!」
私も同じ確信を持っています。
そう、一番面白いと思ってるからやってるんだよ!

今回のこのワークショップ、仙台でも明日から開催されます。ひとりでも多くの方に体験していただきたいと思います。
詳細はこちら→オイリーカート仙台ワークショップ

企画してくださったシアタープランニングネットワークの皆様、シャロームみなみ風のみなさま、ティム、アマンダ、そして多くの出逢いに。心から感謝します。

この経験を活かせるかどうか。今月から保育園でこどもたちと演劇あそびの時間を持たせてもらうことになりました。
楽しい時間を過ごせたらと思っています。
詳細はまた後日。

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きんいろの髪のお姫さまーZlatovlaska

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新作人形劇のご案内です。
2018年10月に新作人形劇「きんいろの髪のお姫さま」を北九州市と大分県宇佐市で上演することになりました。
「よだか」「金のさかな」でご一緒した、チェコ人演出家のゾヤ・ミコトバーさんと舞台美術家の林由未さんと、再び新作を制作できるチャンスに恵まれました。
今回はチェコに古くから伝わる民話を題材に選びました。
私がチェコに留学したのが2009年。「よだか」を作ったのは2010年。「金のさかな」は2012年。その後、「あかずきん」「イジーとまぬけな悪魔」「てぶくろ」などを制作して来ましたが、ゾヤさんも交えて3人でまた仕事ができるのは6年ぶり。30代はめまぐるしく環境が変わって、家族が増えたり、生活が変わった時代でしたが、それでも、作り続けて来られたことは、ひとえに、周りの支えあってのことだと思います。そして、30代最後の年に、またこうして新たな挑戦の場を与えていただけたことに、ちょっとゾクゾクしてます。
打ち合わせをしていても、ああしたいこうしたい、これにチャレンジしたい、やっぱりこっちがいいんじゃないか。行き詰まったり、つつきあったり、発見したり。話が尽きないのは幸せなことだと思います。こちらのブログでも、制作の状況など、ご紹介して行こうと思います。

10月のプレミアではチェコから演出家のゾヤさんと美術家の林さんを宇佐市にお招きして、新作「きんいろの髪のお姫さま」と「よだか」の2作品を上演する予定です。また、上演の際には並行して林由未さんの人形の作品展も開催する予定です。こちらも是非お楽しみいただければと思います。
年明け以降、他の地域への上演も計画しています。

新たに生まれる作品が、また多くの人に愛されることを心から祈りつつ。
劇場でたくさんの笑顔に会えることを心から楽しみにしています。

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旭ヶ丘保育園での演劇あそび。
先日はみんなに絵を描いてもらいました。
せりふをどんどん覚えて動きもどんどん覚えて行っているみんな。その飲み込みの早さと先生がたの指導は本当に素晴らしいと思うのですが、みんなともうちょっと「さるとかに」について話してみたいと思ったので、短い時間ですが、実験的に絵を描いてもらうことにしました。そして、彼らの真骨頂、「思いついたら話が止まらない」!怒涛の「見て!見て!」攻撃!!君たち、あ、アツいな!そのさるとかにに対する情熱たるや!!
全てをお見せできないのが残念ですが、一部だけお見せすると。。。

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こちらの女の子はとても丁寧に、繊細に色を塗っていました。柿のなり方がとても素敵です。

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こちらも迷いなくどんどんかいてくれた柿とどんぐりとかきの種。僕はどんぐり役だから、とまずは大きくどんぐりを。

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こちらはやわらかなタッチでやさしくクレヨンをさわっていました。本当に、真似出来ない美しさ。

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さるとかにとは関係なく、おばけかぼちゃを描いてくれましたが迷いのないクレヨンさばきが非常にアーティスティックでした。

お仕着せがましいことはしたくないな、というのが一番胸の中にありました。
あくまでも彼ら自身がその物語を楽しんで、声を出したり。大人が指示をだして矯正するのではなく、ありのままの彼らの日常の姿を、
見せることができたら、と思っています。なので、スラスラせりふが言えたり、なんの疑いもなく先生に言われた通りに動けることに、とても違和感があって、果たして彼らは楽しんでいるだろうか。と感じたのが正直な第一回目の感想。
でも、彼らには彼らの視点がきちんとあって、意外とその物語を楽しんではいることがすごくよくわかりました。
あとは、その視点を実際の物語の中に組み込めたらいいのですが・・・ここからは大人の仕事がいくつか待っている気がします。

とにかく楽しい!
彼らは理想の創作者そのもので、その素直なエネルギーに毎回どきどきしっぱなしです。
来週が待ち遠しい。

上演情報:イジーとまぬけな悪魔@ハロハロカフェ北九大

「イジーとまぬけな悪魔」久しぶりに北九州で上演します。
北九大で活動しているハロハロカフェにお声がけいただいての上演なので、一般入場はできないのですが、素敵なチラシを作っていただいたのでご紹介させていただきます。

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ブログでは情報を出していなかったのですが、先日15日は中津の野外イベントでの上演でした。
いやぁ・・・暑かったですね。
ご覧いただいているお客様たちにとっても、なかなか過酷な状況だったなと思います。
8/1の北九大での上演も芝生広場で・・・と計画していたのですが、状況によってはお借りしている教室での上演になる可能性があります。
お客様が集中して物語の世界を楽しめる環境を整えるのも大切なことだと思います。事故のないように準備を進めています。
幸い、今回は運営してくださっている方々とのコミュニケーションがしっかりとれるので、変更がある場合もスムーズに対応できそうなので、安心です。
楽しい時間になるといいなぁと思っています。

それにしても。これまでに経験したことのないくらいの暑さ。
皆様も、充分に注意してお過ごしください。