divadlo

みんなの学校

先日、「みんなの学校」を見てきた。
昨年、東京近郊に住む友人達が軒並み見ていたドキュメンタリー。公式サイトやトレイラーを見るだけでも大変興味深く、福岡に来てくれるのを心待ちにしていた。

minna_gakkou

とある小学校のケースが描かれているのではなく、今私たちが生きているこの社会全体のことが描かれているように感じた。自分ではない他人、自分とは違う他人と、どうやって一緒に生きて行くのか。きっとこどもたちにその方法を示すことは、どんな大人にとってもとても難しいことだと思う。だけど、そもそも正解や正しい手順なんてものはなく、一緒に悩み、考えて、寄り添っていくことなんだな、と痛感した。この映画に出てきた先生方も、経験を積みながら手探りでこどもたちに寄り添ってきたことがひしひしと伝わってきた。そしてその蓄積が若い先生方に手渡されている瞬間が何度も見えた。
もうこれからの時代って、他者とともに生きる、ていうことからは逃れられない社会になって行くことは明らか。高齢化はどんどん進む。社会を支える年齢層は徐々に減る。困っている人はきっと増える一方で、それを個人が背負って行く構造はすぐに限界がくる。一部の豊かなひとはそれを他人事だと言えるのかもしれないけど、もうそういう世の中では、そういう時代ではなくなっているんじゃないでしょうか、既に。
私は私のこどもたちにどんな蓄積を手渡すのか。どんなものの見方を、どんな価値観を、どんな社会を手渡すのか。それは、毎日子どもたちとどんな時間をすごし、どんな言葉をかけるか。この一瞬一瞬の選択だな、と。

この映画を観た朝も、イヤイヤかんしゃくまっさかりのこどもを理不尽に叱りつけてしまって、映画の中で校長先生が新任の先生が私と同様にこどもを怒鳴り散らしているのを見て「クビ!」と言い放った瞬間は、本当にああ、私、母親クビだなぁ、と心底反省しました。ええ、先は長いですが、一瞬一瞬を大切に、一緒に成長していこう、大丈夫!と、強く背中を押してくれる映画でした。

素晴らしかったです。