棚付きコーヒーテーブル。
すっく、と伸びる四つ足が健やかです。
天板の一部にナラ独特の虎斑(とらふ)が。
躍動感のある文様ですね。大きな空を流れる雲、とか。水底から海面を見上げているような、とか。
自然の文様に想像がふくらみます。
この斑紋は柾目を横切るように走っていて、養分を貯蔵する役割だった組織です。
虎の毛並みのように見えることからそう呼ばれています。
虎斑に限らずどんな文様も、たったひとつだけのもの。その材は世界にひとつしかない。
立ち木の時は命をつなぐ為に養分を蓄えていたけれど、製材され、家具として形を変えて、
今度は私たちの生活の中で欠かせない道具になる。
私たちが作る家具は手入れをし、大切に使えば、何代にも渡って使えるように丁寧に作っています。
もうこの文様に養分を蓄えることはないけれど、私たちが大切に使えば、木は別の命を生きることができるんだなあと、
しみじみ思いました。