divadlo501

キーワードは『生活の中に、アートを。』

劇場でもない
美術館でもない
小さな街角にある、小さな家具屋。
ちょっとしたパフォーマンスやコンサートやイベントが、
生活の一部を扱う『家具屋』で行われるその様は、
一見すると、奇妙に見えるかもしれません。
しかしそれは奇妙なことでしょうか?

特別な時にしか触れない特別な芸術も、もちろん素晴らしい。
だけど日々の生活の中にも、アートは存在します。
そんな瞬間に出逢うことで、世界がちょっとだけ違って見えたり、それまで知らなかった人と話したり。

むしろ私たちに必要なのは、日々の生活の中にひそむ
美しい瞬間に、どれだけ目を向けることができるか、
かもしれません。

※Divadlo(ヂバドロ)とはチェコ語で『劇場、演劇』という意味の言葉です。

言葉にならないこと:山海塾「降りくるもののなかでーとばり」

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北九州で毎年上演してくれている山海塾。お恥ずかしながら初めて見て、やはりもう脳みそが痺れて夢にまで出てきたので書かずにはいられない。
だけど言葉にするのがおこがましくて書いては消し、書いては消ししてしまうこの感じは、観たことがある人ならきっとわかるのではないでしょうか。
感想を述べたり、言葉にしたりすることで、あの世界を小さく切り取ってしまうならいっそ黙ったままでいたいと思ってしまう。
「言葉にする」ということの対極にあるような舞台だった。
だけどこのままだとまた夢に見そうなので、少しだけ。

ダンスや舞踏は、台詞のある演劇よりある意味自由で、ある意味不自由で、どちらもそれぞれに楽しみ方が異なるとは思うのだが、
今回ほど言葉に縛られない、言葉にならないことをこんなに自由に表現することの凄みを感じたことはなかった。
行ったこともない荒野をゆっくり巡る無数の星。その星空の遥か彼方もっと上の世界から神様みたいな人が何かを決めているような・・・
でもそれも「悠久」という言葉の中では一瞬の出来事だったり。過ぎていく時間や、過去、未来、現在を一方向に流れる人。
それに逆行する人。すべてのシーンは印象的で、そこから何を受け取るか、何を想像するかは私たちに完全に委ねられていて。
満員の客席の数だけその解釈の存在が許されているこの作品って!!
息を呑んでばかりで、観終わった後に軽く頭痛がするほどでした。

どうしても私たちは、目にしたものや、目の前で起きたことに対して、頭で考えてすぐに言葉にしてしまう。
ちょっとずれるかもしれないけどこんなことを思った。
言葉が未発達なこどもたちは、イメージで捉えるのがとっても上手だ。
同じものを見ていたのに、私たちと全く違う受け取り方をすることが多々有る。
もしくはその時流れているムード、雰囲気、空気。全体的な印象で、情報をキャッチする。
そして大人はこどもがとんちんかんなことを言っていると「訂正」してしまったりする。私もよくやってしまう。
ついつい「答え」を求めたり「説明」を求めたりしてしまう。悪い習慣。
もちろん、言葉から広がる豊かな世界も、考えることができるからこそ深まる作品もたくさんある。
だけど、言葉にならないことや、なんだかわからないもの、得体の知れないものこそ、シャットアウトせずに覗き込むことってとても大切なのではないか。
わかりやすいもの、キャッチーなものに慣らされすぎていて、そうでないものについて想いをめぐらせる体力が奪われていないか。
こどもにこそ観せてみたい作品だなぁと、心から思った。

照明も舞台美術もとても印象的だった。シンプルなだけに、一層効果的だったのは、きっとダンサーたちの美しさのせいですね。
映える映える。音も光も。

ちなみにですが、カーテンコールまですこぶるカッコよかったです。世界観を背負ったまま最後まで魅せてくれる感じで。

昔からの芝居仲間がスタッフで入っていたので再会も果たせて、観に行けてよかった。
来年は新作とのこと。
楽しみにしています。

2017年、春。

年末から少し体調が悪く、冬の間はずっとおとなしくしていたのですが、春が近づいてくるとともに体調も回復し、
ようやくお待たせしていた色々なことに取り掛かっている3月半ば。って、四半期終わっとるやないかい! いかがお過ごしでしょうか。

確定申告も滑り込みでなんとか間に合わせ、ここ数日でいくつか打ち合わせや今後のミーティングなどをして、
ようやく長い冬が終わって、桜の蕾がふくらむようにむくむくと動き始めて・・・春はいいですね。

今年のDivadlo501はちょっとのんびりと進んで行くことになりそうです。
春から初夏にかけて新作を2本、制作することになっていて、上演の予定も少し先の予定です。
近づいたらまた詳細はお知らせします。
保育園での演劇あそびは4月から本格的に始まります。こちらでも挑戦したいことが山盛り。楽しみです。

新作のうちのひとつは、0〜3歳の小さな小さな人たちに向けた作品。
昨年はオイリーカートでの感覚演劇のワークショップや、ベビードラマについてのワークショップなど、乳幼児のための演劇について考えることが多く、
機会があればいずれ作りたいと思っていたので、チャンス到来。上演はずいぶん先で11月ですが、楽しみにしています。

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私が寝込むのと同時期から、10年飼ってきた猫も体調を崩してしまい。
一時期は本当にもうダメかと思うほど悪かったのですが、最近少し回復して、トイレも自分で行けるまでになりました。
暖かくなったらもう少し過ごしやすくなるかな。

春よ、早く来い。

イジーとまぬけな悪魔@和光保育園

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12月21日に、豊前市の和光保育園で「イジーとまぬけなあくま」を上演してきました。「よだか」の余韻も冷めやらぬうちに頭の中を入れ替えて・・・

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当日はクリスマス会。「おしゃれして来てください」と掲示板に貼ってあったので「何て素敵なパーティー!」と胸踊った私ですが、会場には白雪姫やらサンタクロースやらなかなかのパリピ(初めて使うわい)が集まっていました。

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観客は0歳児から年長さんまで90名。プラス近隣の方や保護者の方々総勢100名以上の方にご覧いただきましたが、とにかくみなさん、しっかり見てくれました。人間の集中している表情ってとっても胸打たれるものがあります。大人だろうがこどもだろうが、その真剣な眼差しで食い入るように見つめられたらもう・・・こちらも心から全力で向き合うしかない、という。。。そんな瞬間の積み重ねが作品になっているんじゃないだろうかと思います。

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和光保育園さんは本当ーーーーに、素晴らしい信念を持った保育園で、感動しっぱなしでした。ひとり一匹ずつカブトムシの幼虫を育てたり、園庭でサンマを焼いて葉っぱに載せて食べたり・・・挙げればきりがないのですが、一番感動したのは、リオのオリンピックから南米についての興味が湧いて、そこから南米について・・・調べ学習に近いような、活動を続け、今は南米の鳥について調べている、と。すると子供たちが南米について興味を持っていることを知った保護者が、「うちの店に南米の珍しい花が咲いたので、見に来ませんか?」と。だからみんなバスに乗せて見に行ったのよ〜!と語る園長のキラキラした顔!その理想的な保護者の関わりといい、すべての秘密はこの園長先生だな、と痛感しました。人ですね。やっぱり人は人が育てるしかないんだな、と心から感動して、元気をもらいました。

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終演後はやはり人形にじっくり触れ合ってもらいました。もう、取り合い。
一番嬉しかった言葉は
「おもしろかったー!」
「また来てー!」
「明日!明日来てー!」
です。

また是非行きたいっ!

今年の上演はこれで終了です。来年も引き続き素敵な場を提供できるように、がんばりまーす!

ご来場ありがとうございました:イジー@戸畑図書館

先週土曜日は戸畑図書館での「イジーとまぬけな悪魔」でした。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!

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とにかくすごい人!人!人!図書館のイベントで開始30分前から長蛇の列で入場待ち、という状況を初めて見ました。
どうやって?どうやったらこんなに人が来てくれるんですか?と臆面もなく聞いたところ、ずいぶん前から貸し出しカウンターで本を借りる方ひとりひとりにチラシを渡しつつお声がけをしていたとのこと。そしてもう既にこのクリスマス会というイベントが図書館を利用する方(主にお子様連れの方)に定着していてみんな楽しみにしているとのこと。理想的な図書館と利用者の関係だなぁと、感動しました。

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やっている側としては正直、反省点が多い上演になってしまいましたが、食い入るように見つめてくれたお客様に支えられた上演でした。一期一会。精進あるのみ。

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抽選会でちゃっかりガラガラを回して「〇〇番!」ていう大役を仰せつかりました。この抽選会、商品が豪華!大きな紙袋に30袋用意してあって、かなりの当選確率。さらに外れた子のためにも参加賞が用意してあったりして、こどもたちはホクホクでした。

図書館って本当にいいなぁとしみじみ思いました。誰でも入れるフラットな場所で、知識や物語の扉がたくさん用意されていて、時にはこんなお楽しみもあったり。そしてそのオープンな雰囲気を決めるのは、働いている人。あと、空間だなぁと思いました。そもそも閲覧室と児童書部屋のスペースが区切られていなかったりすると、こういう会の開催が難しくなったりするのかもしれないな。でも、戸畑こどもと母の図書館はやってるな、とか。いろいろ考えるとおもしろいです。図書館、深い。
図書館を利用する人は頻繁に利用するけど、利用しない人は全く行かない→そして利用する人の数の方が全体の人口から見ると割合が少ない→図書館の数を減らす又は予算を減らす。という統計を以前どこかで見た覚えがあるのですが(不確かな情報で失礼。)、図書館ほどいろんな方向に活用しやすい場所はないのになと思います。こどもがいる人はこどもの絵本欲、知識欲に対応するためには必須だし。中高生は勉強できるし。高齢の方も利用者は多いし。働いてる人だな、忙しく働いてる人が行けないんだな。働いてる人ほど、行ったらいいのに。本そのものから得られる情報だけじゃなくて、本を選ぶ時間、触る時間、迷う時間、そしてなによりいる人を観察してみるとそりゃあもう面白い。なにせ誰でも入れるから、不思議な人がいっぱいいる。そういう一見、無駄に見える、生産性のないと思われがちな時間にほど、多くのヒントと心の栄養が隠されているんだぞ、っと、信じています。

来年も図書館での上演、続けていけたらいいなあ。。。

2016年12月の上演予定

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12月はありがたいことに3カ所での上演を控えているので、お知らせです。

まずは12月10日10:30から、戸畑図書館にて、『イジーとまぬけな悪魔』を上演します。
毎年恒例のクリスマス会での上演です。なので、上演後、わたし、くじ引き大会のガラガラも回させていただきます!
こんな大役。。。超緊張するっ!!
いつものように0歳から誰でも入れます。入場無料で予約は不要です。

そしてそして、4年ぶりの挑戦。海峡演劇祭で『よだか』を上演します。
宮沢賢治の「よだかの星」から着想を得て、6年前、美術家の林由未さんと、演出家ゾヤさんと、3人で作り上げた作品です。
今回、海峡演劇祭の中で、私の人生で足を向けて寝られない人ぶっちぎりナンバーワンの人形劇師、沢則行さんの「生命誌版 セロ弾きのゴーシュ」の上演ビデオが上映されるのですが、そちらとの関連企画ということで「よだか」を再演することになりました。6年の時を経て、こんな形で沢さんと関連できるのはとても嬉しいことです。いつか沢さんの人形劇を北九州の人にも見せるのが、目標なので(本気)、まずはビデオでご紹介したいと思います。

「よだか」は原作の「よだかの星」とはずいぶん違う話のようで、やはり同じ話のようで。。。でも循環する命のことを話したいと思って作った作品です。今回は演劇祭の1週前がイジーの上演だったりして「金のさかな」の時のようにワークショップに回れなさそうです。なるべく多くの、特にこどもたちに見てもらいたいと思っているので、チラシを貼らせてくださるところや、配らせてくださるところがあったら是非ご紹介ください。

そして12月21日は豊前市の保育園でまた『イジーとまぬけな悪魔』の上演です。こちらは保育園の子供たちに向けた上演なので、地元の方に向けてオープンにするかどうか。。。近づいたらまたお知らせします。

(追記)21日の豊前市和光保育園での上演日時を誤って20日と表記していました。訂正します。21日10時半からの上演です。

気づいたらもう演劇祭まで1ヶ月ほど。
どひゃー、秋はあっという間。

どこかで皆さまにお会いできるのを楽しみにしています。

演劇あそび②_10/31

旭ヶ丘保育園での演劇あそび。
先日はみんなに絵を描いてもらいました。
せりふをどんどん覚えて動きもどんどん覚えて行っているみんな。その飲み込みの早さと先生がたの指導は本当に素晴らしいと思うのですが、みんなともうちょっと「さるとかに」について話してみたいと思ったので、短い時間ですが、実験的に絵を描いてもらうことにしました。そして、彼らの真骨頂、「思いついたら話が止まらない」!怒涛の「見て!見て!」攻撃!!君たち、あ、アツいな!そのさるとかにに対する情熱たるや!!
全てをお見せできないのが残念ですが、一部だけお見せすると。。。

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こちらの女の子はとても丁寧に、繊細に色を塗っていました。柿のなり方がとても素敵です。

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こちらも迷いなくどんどんかいてくれた柿とどんぐりとかきの種。僕はどんぐり役だから、とまずは大きくどんぐりを。

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こちらはやわらかなタッチでやさしくクレヨンをさわっていました。本当に、真似出来ない美しさ。

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さるとかにとは関係なく、おばけかぼちゃを描いてくれましたが迷いのないクレヨンさばきが非常にアーティスティックでした。

お仕着せがましいことはしたくないな、というのが一番胸の中にありました。
あくまでも彼ら自身がその物語を楽しんで、声を出したり。大人が指示をだして矯正するのではなく、ありのままの彼らの日常の姿を、
見せることができたら、と思っています。なので、スラスラせりふが言えたり、なんの疑いもなく先生に言われた通りに動けることに、とても違和感があって、果たして彼らは楽しんでいるだろうか。と感じたのが正直な第一回目の感想。
でも、彼らには彼らの視点がきちんとあって、意外とその物語を楽しんではいることがすごくよくわかりました。
あとは、その視点を実際の物語の中に組み込めたらいいのですが・・・ここからは大人の仕事がいくつか待っている気がします。

とにかく楽しい!
彼らは理想の創作者そのもので、その素直なエネルギーに毎回どきどきしっぱなしです。
来週が待ち遠しい。

オイリーカート インクルーシブシアターワークショップ

防備の為、長文です。

ついこないだまで京都でずきんずきん言っていた私ですが、家族に無理を言って、今度は東京で4日間、とあるワークショップに参加させてもらいました。

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オイリーカート インクルーシブシアターワークショップ。こちらの東京開催に参加させていただきました。
イギリスで30年以上にわたり、幼児から様々な障がいをもつ子どもたちを含む、すべての子どもたちに優しく寄り添い、美しくて、ユニークな演劇体験を提供してきた劇団、オイリーカート。今回、芸術監督のティムと、美術監督のアマンダが来日するとのこと。彼らの公式HPや劇団の活動にまつわる論文を読みながら、どんどん興味を深めて行く中で、正直一番心惹かれたのはこのワークショップの謳い文句でした。「知的障がいをもつ子どもたちにとっての鑑賞の意義を探るとともに、いわゆる演劇の演技とも、演劇教育に求められる資質とも少し異なる、子どもたちの反応をひきだし、受けいれ、応じていくパフォーマーの位置と姿勢、そしてスキルについても学びます。」日頃、こどもたちの為に小さな作品を上演している私にとって、いつも気になっていること。いわゆる演劇の演技とは少し違う感覚が必要であること。子どもたちの反応をいかに引き出すか、そのコミュニケーションの姿勢。障がいのある子どもたちの為だけに上演をした経験はないけど、彼らの活動を見ているとまさに今の自分に必要なことがちりばめられていると確信したので、圭くんや義両親、そしてなにより想くんに頼み込んで、少し無理をして、行かせてもらいました。

1日目のセミナーは彼らの上演映像や写真を見つつ、どのような点を重視して活動を続けてきたか、観客とどのように関わっているのかなどのお話を聞かせて頂いた。

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彼らはひとつの作品について障がいのない子供達に向けた上演バージョン、PMLD( 重度重複障がい児)のこどもたちに向けたバージョン、ASD(自閉症スペクトラム)のこどもたちに向けたバージョンと、3パターンを制作しており、そのそれぞれの上演パターンはそれぞれのこどもたちの特性に合わせたものになっていた。さらに言うと、子供たちそれぞれの個人的な特性にまでも合わせてその対応を変える、オーダーメイドの演劇、と言っていいほど丁寧な作りをしていた。
上演の前に、こどもと一緒に観劇する親御さんや先生方とコミュニケーションしてこどもたちがその作品世界に快適に存在し、その体験を存分に味わう為の準備をする。その段階から既に上演が始まっている。とても繊細で緻密な準備と、あらゆる事に対処する為の余白。だけど無駄がない印象だった。そのスマートさは特別なトレーニングの結果というよりは、いかに演劇で緻密なコミュニケーションをするかという実践の蓄積のように見えた。

障がいを持つ子供の場合、お芝居の始まりの部分をエンディングの段階で覚えていられなかったり、興味を失ってしまっていたりすることがある。そんな場合でもその子供達なりにその世界を味わえる、体験できる工夫が必要だ、と。そうして彼らがなしている工夫は、よりその世界観にクローズアップして、近寄って、”理解する”のではなく”体感する”ことができるようにしているように感じた。手触り、音、匂い…。一人一人がどのような体験をし、何を感じるかに特に焦点を置いて、作品を制作していた。

セミナーの翌日からはワークショップを3日間。場所はセミナーも含めて新宿区のとある施設の一室を借りて開催されていた。3日間を通して、基本的なシアターゲームやグループワークを通して何度か小さな作品制作を行い、その都度お客様を招いて見て頂いたり、フィードバックしたり。最終日には入居している利用者さんやこどもたちをお招きして少しまとまったパフォーマンスを見せる。というものだった。

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日々、新たな発見があったり感動したりしたのだが、3日間を通しての感想は・・・目からウロコ、とは違う、ただ、今まで自分がなんとなく指向していたぼんやりした海流が一気にぐっと近づいて本流に巻き込まれたような。。。ああ、こっちで間違いなかった!という確信に頬をなでられるような感覚がたくさんあった三日間だった。
今回私たちが作った短いパフォーマンス、特に「テーブルトップパフォーマンス」は、観客の前にテーブルを置いて、一人か二人の観客とそのケアをする人(親御さんか施設の担当の方)に向かって、なにか特定のストーリーを展開するのではなくて、自分が持っている道具や音などを使って観客に感覚的な働きかけをしていく、というものだった。観客によっては準備しておいたものが全く通用しないので別のアプローチを試すことになったり、場合によっては全然とっかかりがなくて不完全燃焼に終わったりする場面もあったのだが、基本的にはごく少数の観客と、深くコミュニケーションを交わすような仕組みになっていた。
それは、これまで自分が演劇を続けてきたことの根源的な理由を突きつけられるような瞬間の連続だった。
「私、こういうのを持ってきたんですが、どうでしょう?」に対して「うーん。。。おもしろいね!」とか「全然おもしろくない!」とか、無言で何も言わないけど、じっと見ているとか。中にはもう嬉しくて叫び出しちゃう人もいれば、イライラしてそっぽを向いてしまったり。そこには必ずリアクションがあって、そして私たちはそれを決して無視できない。どうにか拾って、なんとかしようとする。
そうこうしているうちに、演者も気付いているかいないかわからないけど、とても美しい瞬間が訪れたりする。訪れないこともあるけど。その余白もまたワンダフルだったりする。それもこれも全部ひっくるめて、ああ、inclusiveって私たちが包むんじゃなくて、私たち、包まれる側だったのだ。と静かに胸打たれたのでした。

こどもの為に演劇を作りたいと思ったとき、そうだったとふと思い出した。観客であるはずのこどもたち、ワークショップの参加者であるはずのこどもたちから、私たちはいつもたくさんのことを教えてもらっていたのでした。彼らの反応はいつもヴィヴィッドで、新鮮で、優しくて、手厳しい。人間であることそのものだったから、迂闊な私はいつも脇腹をつつかれて、油断するな!だけど、一番自分が楽しめ!と彼らに言われてここまで来た気がします。
今回目の前にした観客はこれまで相手にしたどの子どもたちよりも鋭敏な感覚を持ち、さらに正直で、さらに鋭く、手強い、そして誰よりも優しい観客だった気がします。そして例の如くまた、悪戦苦闘する私を包んでくれたのでした。

歳を重ねるごとに涙もろくなって、今回も良い歳して大勢の人の前で涙が止まらなくなってしまったのは内緒です。(ああ、恥ずかしい。頼む、みんな、忘れてくれ。)そんな私を美術監督のアマンダは優しく抱きしめてくれて別室へ連行し、優しく諭してくれました。
「なぜ私たちが、子どもたちや障害を持つ人の為に演劇を作るか。それは、それが一番面白いからよ!」
私も同じ確信を持っています。
そう、一番面白いと思ってるからやってるんだよ!

今回のこのワークショップ、仙台でも明日から開催されます。ひとりでも多くの方に体験していただきたいと思います。
詳細はこちら→オイリーカート仙台ワークショップ

企画してくださったシアタープランニングネットワークの皆様、シャロームみなみ風のみなさま、ティム、アマンダ、そして多くの出逢いに。心から感謝します。

この経験を活かせるかどうか。今月から保育園でこどもたちと演劇あそびの時間を持たせてもらうことになりました。
楽しい時間を過ごせたらと思っています。
詳細はまた後日。

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京都でずきんずきん

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ずいぶん時間が経ってしまいましたが・・・国際姉妹都市祭in京都駅ビル2016、無事に終了しました。
ご来場頂いたみなさま、ありがとうございました。

今回は、今回こそは、本当ーーーに、貴重で濃密で、忘れられない数日間になりました。いつもそう言っている気がしますが、そういうことの連続なのかもしれませんがいや、それにしてもなかなかにチャレンジングな夏でした。

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何より特筆すべきなのは、イベント全体のナビゲーションを担当していらっしゃる旭堂南陽さんに語りとして入って頂き、更にアコーディオニストのかとうかなこさんにも参加して頂いて演奏していただくという豪華さ。しかも打合せは本番の2日前のみ。しかも書いた台本は全力の宴会芸。。。そうなんです、私たち今回良い歳して一夏を捧げて真剣に、いかにふざけたあかずきんを上演するかだけを考えて準備してきたのです。ふざけるんじゃないって言われたらどうしよう、あやまろう、心から謝罪してでもやってもらうしかない!とガタガタ震えながらリハーサルを迎えました。しばしば微妙なムードを感じつつもなんとかかんとか稽古していただいて、どうにか怒られずにやりすごすことはできました。が、肝心の我々の芝居が、100点満天中2点くらいの出来だったので、本番前日はボロ雑巾になるまで稽古しました。

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最初は「林さん、京都でトークショー出てください。」のオファーだったのに、なぜこんなにもボロボロになりながら京都タワーに向かって「ずきんずきん」言っているのか、誰からも頼まれていないのになぜ二人して大汗かきながらばかばかしいことこの上ない話を繰り広げているのか。。。トークショーからのあまりのギャップに目眩がしますが、我々は至極真っ当に、真剣に、確信を持って舞台に立っていたことは間違いないです。なかなか良い感じに仕上がったんじゃないだろうか。

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フィナーレ。他の出演者のみなさまったら・・・素敵すぎ!!!久しぶりの打ち上げも楽しすぎる席でした。
畑の違う方々なのに同じイベント、というだけでこんなに一体感を感じることができるなんて。
初めての経験もたくさんあって、自分の知らない世界がこんなに広いことに、胸がときめきました。

準備を進めてくださったスタッフの皆様、今回の機会を与えてくださったことに心から感謝します。
また近いうちに皆様にお会い出来ますように!

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そしてなにより、ご来場いただいたすべてのみなさまに、ありがとうございました!

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直前の告知になってしまいました。9月25日に京都で人形劇パフォーマンスを上演します。
いつも強力タッグを組ませて頂いている人形作家の林由未さんをなんと舞台に押し上げて!満を持して!むしろ彼女を中心とした人形劇の世界を構築しています。関西方面の皆様にお会い出来るのを楽しみにしつつ、現在モーレツに準備中です。

公式サイト→国際姉妹都市祭in京都駅ビル


●○● 国際姉妹都市祭 in 京都駅ビル ●○●
ー京都・プラハ姉妹都市提携20周年事業ー

■チェコ カルチャーパーク 9/25(日) 13:00-17:30
 京都駅ビル 駅前広場 (ホテルグランヴィア京都南)
 ◎ナビゲーター:講談師 旭堂南陽
 ◎出演:
  *チェコ人形劇
   林 由未(人形作家) / 谷口 直子(人形劇役者)
  *ストリート・ライブ Street Live
   かとうかなこ (アコーディオン)
   岡崎泰正(ギター) / 田中良太(パーカッション)
  *大道芸
   ミスター・ハム
  *チェコアニメ上映会
   アマールカシリーズ「森番をやっつけた日」 
   もぐらのクルテク 「もぐらくんとどうぶつえん」
   シュヴェイクが行く!「列車騒動をおさめろ」
   ぼくらとあそぼう!「さかなのおはなし」 他
【お問合せ】
京都駅ビルインフォメーション 075-361-4401(10:00-19:00)

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あかずきん@戸畑こどもと母の図書館:ありがとうございました

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8/27(土)、戸畑こどもと母のとしょかんで「あかずきん」を上演させていただきました。
ご来場くださった皆様、ありがとうございました!
予想を遥かに超える数のお客様にお越し頂き、毎月恒例のえいごのおはなし会を楽しみにしていらっしゃった方々にはとてもご迷惑をおかけしてしまったように思います。また、見えづらいことも多々あったかもしれません。なにより少し前倒しで上演を始めてしまったことでご迷惑をおかけした方がいないか・・・少し心配ではありますが、お芝居が始まってすぐ、あんなにちいさな子どもたちが、ぐぐぐっと音をたてて世界に突入して行く様は、何度思い出してもぞくぞくする、最高にしあわせな時間でした。

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今回は未就学児率の高いお客さまでしたが、その集中力と反応の良さったら!
シンプルな人形のシンプルな動き、シンプルな場面展開と繰り返しはまさに彼らにぴったりな感じで、どんどん場が盛り上がって行ったように思います。

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上演後はやはり人形を触ってみようの時間を設けましたが、こんなに小さなお客様がよちよちわらわら集まってきた光景も胸きゅんでした。
そしてこのこけし人形の魅力をこの小さなお客様方に改めて教えてもらったのですが、とにかくとんとん鳴らしたいらしい。初めこの人形を美術家から受け取った時に、手足の無いこのこけしをどうやって操れというのか、表現、表情をつける術がないように感じてうちひしがれた瞬間がありましたが、いやなんと。自然と編み出されたその操演法が、こんな小さな子のこころをワシ掴みにしている光景を見て、人形劇って深い!と今更ながら思いました。ほんと、今更。

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そしてなにより今回私を心から楽しませてくれたのは、つかのみきさんでした。
当初、私一人で上演する予定でしたが、おはなししているうちにあれよあれよと話が繋がって、稽古まで付き合ってくれて、すっかりコラボ作品になりました。
北九州で舞台活動を続けて居る方々はたくさんいるのですが、なかなか繋がる機会が無かった私ですが、今回初めてこういう形で一緒に何かを作れたことは本当に嬉しいことでした。やっぱり人を知るには、一緒に演劇しないとわかんないな、と勝手に思いました。私にとって演劇って、人を知る道具だ、と。
何を言っても受けとめてくれて心から感謝します。のびのびできました。ありがとうございました!

図書館という誰でも入れる場所で、演劇に触れる機会が少ない人もそうでない人も、劇場に行けない人もそうでない人も、0歳でも、子連れでも、お金なくても、見られる「演劇」だといいなあと思いました。その為にはまずは創る側の精進が大事ですね。今後も引き続き精進します。
「図書館」という場所は現実と夢の出入り口のようで、演劇するにはぴったりの場所だと思いました。特に戸畑こどもと母の図書館は、希有な場所だと思いました。こじんまりした落ち着いた、懐かしい雰囲気。話しやすい司書さん。大きな図書館も重要ですが、小さな図書館がたくさん点在している方が良いと思いますが、北九州市は真逆の方針らしいですね。どうなるかな。

さて、実はこの図書館での上演の後、つかのさんのご紹介で絶賛キッズキャンプ中のアイアンシアターでも上演させて頂きました。そのお話はまた明日。

ひとまず、ありがとうございました!

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